「ゴホ、ゴホ」
食事介助してたらいきなり利用者様がむせだした、そんな経験あなたにはありませんか?
私には多数あります。
それどころか、食事しなくとも誤嚥してしまう、そんなこともあるのが誤嚥の怖いところでもあります。
ここでは、食事介助をする上で避けて通れない、誤嚥について話していきます。
また、万が一誤嚥してしまった時の対処法も合わせてお伝えしていきます。
食事介助時に誤嚥してしまったらすぐにやるべきことは?
誤嚥した場合、すぐに食事を中止しましょう。
その後、利用者様の状態によって、するべき対応は変わります。
- せき込んでいる場合
- 意識がなく、口の中に食べ物が残っている場合
それぞれについて説明しますね。
せき込んでいる場合
せき込んでいる場合、腹部突き上げ法か背部叩打法を試してみましょう。
腹部突き上げ法
腹部突き上げ法とは、別名ハイムリック法とも言います。
この方法はまず、
誤嚥している利用者さんの後ろに回って、自分の利き腕をもう片方の手で軽く握ります
その状態で、握っている手を利用者さんのみぞおちよりも指三本分くらい下の部分に押し当てます。
その際、もう片方の手は握っている手の上に被せましょう。
そのあと、利用者さんを抱きしめるようにして、握りこぶしを後方に突き上げるようにします。
背部タッピング法
むせた利用者様を前かがみにして、後ろから左右の肩甲骨の真ん中を強く何度もたたく方法です。
「それならやったこともある」
そう思ったのではありませんか?
私もこれを知った時そう思いました。
でも、優しく叩いたのではダメだったのです。
背部タッピング法は強くたたく必要があります。
どちらの方法も、する際に資格はいりませんが、私の経験上、腹部突き上げ法は少し勇気がいります。
意識がなく、口の中に食べ物が残っている場合
意識がなく、口の中に食べ物が残っているとはっきりわかる場合は、その食べ物を指で掻き出しましょう。
このとき、食べ物を奥に押し込まないように注意してくださいね。
意識がない時点で危険ですので、看護師さんが近くにいたらすぐに呼びましょう。
また、自分では失敗しそうって思ったら看護師さんに依頼しましょう。
誤嚥してしまう理由は?誤嚥しやすい食べ物など
では、そもそもなぜ食事の際に誤嚥してしまうのでしょうか。
それは、食べ物が間違って食道の方に行かず、気管に入ってしまうからです。
本来ならば、食べ物は口の中から喉へ運ばれ、食道へ流されます。
しかし、高齢になってくると、食べ物を飲み込む力が弱くなってきます。
そうなると、食べ物がうまいこと食道へ流されずに気管に流れ、誤嚥が起こるのです。
また、誤嚥しやすい食事にはいろいろなものがあります。
以下のものには特に注意しましょう
- 水分量の少ないもの
- くっつきやすいもの
- つるつるしているもの
- サラサラの液体
それぞれについて、簡単に説明します。
水分量の少ないもの
カステラやパンなど水分が少ないものは、飲み込みにくいです。
どうしても食べる必要があるのなら、お茶など水分をしっかり飲んでいただきましょう。
くっつきやすいもの
お餅や海藻類などくっつきやすいものは、喉にくっついて誤嚥する可能性が高いです。
つるつるしているもの
こんにゃくなどつるつるしているものは、噛まずに飲み込んでしまって誤嚥しやすくなります。
サラサラの液体
お茶などサラサラの液体です。
「誤嚥の予防のためにお茶が必要なのでは?」
おそらく、そう思ったでしょう。
でも、サラサラだと嚥下に障害がある方にとっては、誤嚥しやすい代表的なものでもあるのです。
そういうものには片栗粉や市販のとろみ剤を使用し、とろみをつけましょう。
誤嚥しやすい人の特徴は?
では、誤嚥しやすい人ってどんな人でしょうか。
それは以下の通りです。
- 意識がはっきりしていない人
- よく噛まない人
それぞれについて説明します。
意識がはっきりしていない人
寝起きの方や、薬の副作用によってボーっとしている方は、誤嚥しやすい傾向にあります。
特に寝起きは身体も正常に機能していないため、誤嚥しやすくなるのです。
朝起きてすぐに食事をとろうとしたら、ムセたという経験、あなたも経験はないですか?
意識がはっきりしていないときは、誤嚥のリスクが高くなるので注意しましょう。
よく噛まない人
食事の際に早食いの人、そんな人も誤嚥のリスクは高いです。
よく噛まずに飲み込むため、食べ物が大きい状態だったり、喉に急に流れ込み気管に行く可能性があるのです。
利用者さんにとって、食事が楽しみな方は多数います。
楽しみだから早く食べたい、だから噛まずに飲み込むという可能性もあります。
そんなよく噛まない、早食いの人には注意しましょう。
まとめ
食事は利用者様にとって、楽しみな時間です。
でも、食事には利用者様の危険があるのも事実です。
いくら介助者が注意していても、誤嚥してしまう利用者様はいます。
でも、誤嚥するリスクを出来るだけ取り除くことはできます。
少しでも誤嚥のリスクを避け、利用者様に楽しい時間を提供してあげてくださいね。
また食事介助の際はゆっくり対応してあげてください。
そうすることであなたにとっても、そして利用者様にとっても有意義な時間になります。
介護全般に言えますが、早く対応することが全て良いとは限りません。
急がば回れ、介護ってそういう側面が結構あるのです。