「乗っている車の車種は何?」と聞かれた場合、例えば「トヨタのプリウスだよ」と答えるかもしれませんね。
しかし状況によっては、これは間違いになります。
なぜ間違いなんでしょうか?
今回は、「車種」という言葉の意味について、お伝えしていきます。
さらに先程の答えが間違いだった理由についても、わかりやすく解説します。
車種とは?通勤届には何を書く?
車種とは、自動車や鉄道車両などの種類のことを言います。
一般的に会話の中でよく使われるのは、
「各メーカーが独自に考案した車個別の名称」といった
- 車種 = 車名
として用いられたり、
「セダン」「スポーツ」「ワンボックス」といった、
- 車種 = 車のボディタイプ
として用いられることが多くあります。
ただし、保険業界ではこれらと異なる分類になります。
保険業界における車種は、「普通乗用車、軽四輪乗用車」などのような、
- 車種 = 車の用途や大きさ、構造などの区分
のことを指して言います。
これは、保険料算出の仕方が、車の大きさや構造・機能といった点から分類されるためになるからです。
では、通勤届の場合は、どの様に記入するのでしょうか?
基本的に、何の指示もないような場合は、「普通乗用車・小型乗用車」のような、車の用途や大きさ、構造などの区分を記入します。
ただし、あなたの会社が求めているものが何かによって記入の仕方が変わります。
例えば、「他の人の車と見分けるため」といったことを求められているような場合は、
- 「白のプリウス」
- 「黒のタント」
などのように車名を記入した方がいいので、会社に確認をした方が良いかもしれません。
車種の一覧で意味を解説!
自動車保険における車種で、最も身近な自家用車の分類は、以下の8種類です。
- 自家用普通乗用車
- 自家用小型乗用車
- 自家用軽四輪乗用車
- 自家用軽四輪貨物車
- 自家用小型貨物車
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以下)
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5t超2t以下)
- 特殊用途自動車(キャンピング車)
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①自家用普通乗用車
排気量2,001㏄以上、全長4,701㎜以上、全幅1,701㎜以上、全高2,001㎜以上を1つでも満たしたものが該当します。
「ミニバン」「セダン」「SUV」など多くの乗用車が該当します。
②自家用小型乗用車
排気量600㏄超2,000㏄以下、全長4,700㎜以下、全幅1,700㎜以下、全高2,000㎜以下の規格におさまるものが該当します。
「コンパクトカー」「小型セダン」「小型ミニバン」などが該当し、小型なボディで小回りの良さが特徴になります。
③自家用軽四輪乗用車
排気量600㏄以下、全長3,400㎜以下、全幅1,480㎜以下、全高2,000㎜以下の規格におさまるものが該当します。
いわゆる「軽自動車」と言われるもので、運転のしやすさや安価な価格・維持費などが特徴になります。
④自家用小型貨物車
排気量600㏄超2,000㏄以下、全長4,700㎜以下、全幅1,700㎜以下、全高2,000㎜以下の規格におさまるものが該当します。
荷室面積が1平方メートル以上、座席よりも荷室が広いことなどが条件としてあり、「1BOXバン」「ライトバン」などが該当します。
維持費は安いですが、1年おきの車検が義務付けられています。
⑤自家用軽四輪貨物車
排気量600㏄以下、全長3,400㎜以下、全幅1,480㎜以下、全高2,000㎜以下の規格に収まるものが該当します。
「軽1BOXバン」「軽トラック」などが該当し、自家用小型貨物車と同様の特徴を持ちながら、軽自動車としての安価な車両価格と維持費で運用できます。
⑥自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以下)
排気量2,001㏄以上、全長4,701㎜以上、全幅1,701㎜以上、全高2,001㎜以上かつ小型貨物車と同様の特徴があるものが該当します。
いわゆる「大型トラック」のような車が該当します。
貨物車として車両価格や維持費は抑えられますが、任意保険は割高で、高速料金も中型料金となります。
⑦自家用普通貨物車(最大積載量0.5t超2t以下)
自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以下)と大きさの面では条件は同じですが、最大積載量が0.5t超2t以下という条件があります。
いわゆる「小型トラック」などが該当し、保険料や自動車税の額が最大積載量0.5t以下の車に比べ、わずかに高くなります。
⑧特殊用途自動車(キャンピング車)
「警察車両」「消防車」「救急車」「キャンピングカー」など、特殊な車両が該当します。
維持費が安価であり、車検が2年おきになるメリットがあります。
軽自動車やバイクの場合はどう書く?
車種を記入する場合、厳密に言うと法的な分類を記入するので、「軽自動車」の場合は、「自家用軽四輪乗用車」(自家用で四輪の場合)となります。
バイクの場合も、
- 排気量50㏄以下:「原動機付自転車(原付)」
- 排気量50㏄超~400㏄:「普通自動二輪者(普通二輪)」
- 排気量400㏄超:「大型自動二輪車(大型二輪)」
のように、法的な分類(この場合は道路交通法)での記入になります。
ただし、どちらの場合も、要求されているものによって記入の仕方が変わります。
例えば、通勤届で他の人のものと区別するために記入するならば、
- 白の「タント」
- ヤマハの白い「原付」
のようになるので、その都度、会社に確認するのが無難ですね。
「車種」と「車名」の違いは?
「車種」とは、用途や大きさ、目的や形状によって分類されたものになります。
例えば、
- 用途によって分類する場合は、「普通乗用車」「小型貨物車」
- 形状による分類の場合は、「ワンボックス」「スポーツ」「セダン」
のようになります。
このように、メーカーの違いに関わらず、自動車全般に当てはめられる呼称が、「車種」になります。
一方、「車名」は
- トヨタの「カローラ」
- ホンダの「N-BOX」
などのように、各メーカーによって決定される、車につく固有名称のことになります。
ですので、「車名」はメーカーや車ごとに、異なった呼称になります。
ただし、一般的な会話の中で、「車種は何」と聞かれた場合、「何の車に乗っているの」といった、「車名」を尋ねる意味合いが多いです。
つまり、一般的には「車種」=「車名」のイメージで使われています。
さいごに
「車種」という言葉の意味について解説してきました。
普段曖昧に使っている言葉ですが、一般的に使われている意味と全く違う使い方をする場合があります。
特に、自動車保険の加入時は、その後かかってくる金額も違ってくるので、よく理解しておいてくださいね。