「~すると、いつも」という意味を持つ文型に
- 「~につけ」
- 「~たびに」
があります。
また、「~しても、それによって結論は変わることは無い」という意味を持つ文型に
- 「~にしろ」
- 「~にせよ」
があります。
といっても、それぞれ具体的にどう使うのか?どう違うのか?わかりにくいですよね。
そこで今回は、「につけ」「にしろ」「にせよ」「たびに」の意味や違いについて、わかりやすく解説していきます。
ちなみに今回のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「~につけ」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「~につけ」は、「~すると、いつも」という意味を表す文型になります。
例えば、
「~につけ」の例文
- 決まった曲を聞くと、いつも学生時代を思い出す
- →「この曲を聞くにつけ、いつも学生時代を思い出します」
- 子どものことを考えると、いつもやる気が出る
- →「子どものことを考えるにつけ、いつもやる気が出てくる」
と、このような文章になります。
「~」に入る動詞は、
- 見る(見るにつけ)
- 聞く(聞くにつけ)
- 考える(考えるにつけ)
- 思う(思うにつけ)
がほとんどになります。
また、「何かにつけ」(どんなことにでも、どんな場合でも)といった、慣用的表現としても使われます。
「何かにつけ」の例文
「彼は何かにつけ不満を言う」(彼はどんなことにでも不満を言う)
文章の後半には、
- 「思い出す」
- 「悲しくなる」
などのような、自然に起こる心の状態を表す動詞を使います。
英語では、「~する時にはいつでも」といった意味の、「whenever」が近い表現になりますね。
「~にしろ」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「~にしろ」は、「~しても、それによって結論は変わることは無い」という意味を表す文型になります。
例えば、
「~にしろ」の例文
- いくら勉強しても東大には受からない
- →「いくら勉強をしたにしろ、あなたは東大には受かりません」
- 仕事を続けたとしても今の部署には残るつもりはない
- →「仕事を続けるにしろ、今の部署に残るつもりはない」
と、このような文章になります。
また、「AにしろBにしろ」のように、続けて使うことで、
- 「買うにしろ買わないにしろ、一度店に行ってみよう」
- 「賛成するにしろ反対するにしろ、どちらかに手を挙げて下さい」
このように、Aの場合でもBの場合でも同じことがいえるといった意味で使われます。
英語では、「例え~だとしても」といった意味の、「even if」が近い表現になりますね。
「~にせよ」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「~にせよ」は、意味としては、「〜にしろ」と同じ意味になります。
ですので、英語表現も「~にしろ」と同じく、「even if」が近い表現です。
ただし、「~にしろ」の「しろ」が、命令形の「静かにしろ」のようなニュアンスであるのに対し、「~にせよ」の「せよ」は、「静かにせよ」のようなニュアンスになります。
ですので、「~にせよ」は、「~にしろ」よりも硬い表現として使われます。
例文は、「~にしろ」を「~にせよ」に置き換えれば、そのまま使えます。
「~たびに」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「~たびに」の意味は、「~すると、いつも」になり、「~につけ」と意味は同じになります。
英語にする場合も、「whenever」でもいいですが、「each time」の方がニュアンスが近いかもしれません。
ただし、「~につけ」が、
- 接続する動詞が限られている
- 後に続く文章が自然に起こる心の状態を表すもの
であるのに対し、「~たびに」は、
- 接続する動詞に制限が少ない
- 後に続く文章が自然に起こる心の状態も意志表現も表す
と、若干の違いがあります。
例えば、
「~につけ」「~たびに」の使い方
「出張に行くといつもお土産を買ってきてくれる」ということを表す場合、
「彼は出張に行くにつけ、お土産を買ってきてくれる」
とした場合、文章的に違和感がありますよね。
一方、
「彼は出張に行くたびに、お土産を買ってきてくれる」
とすると、自然な文章になります。
「につけ」「にしろ」「にせよ」「たびに」の違いと使い分けは?
「~につけ」と「~たびに」は、「~すると、いつも」という、同じ意味になります。
ただし、「~につけ」は、
- 接続する動詞が限られている
- 後に続く文章が自然に起こる心の状態を表すもののみになる
「~たびに」は、
- 接続する動詞に制限が少ない
- 後に続く文章が自然に起こる心の状態も意志表現も表す
という違いがあります。
「~にしろ」と「~にせよ」は、「~しても、それによって結論は変わることは無い」という、同じ意味になります。
ただし、命令形の「しろ」よりも「せよ」の方が改まった表現になるので、「~にしろ」よりも「~にせよ」の方が硬い表現になるという違いがあります。
さいごに
以上、「につけ」「にしろ」「にせよ」「たびに」の違いについて解説してきました。
意味は同じでも、使い方の違う類似文型は他にも多くあります。
それぞれの使い方をよく理解して、間違えずに使えるようにしてくださいね。