「酒精綿」という文字を見たけど、なんて読むの?
「綿」はいわゆる「生地」の事なのは、なんとなく分かります。
でも「酒精」という字はあまり見かけませんよね。
実は、これは誰でもよく知っている言葉の漢字表記になります。
今回は、「酒精綿」の読み方や意味を解説していきます。
知識を深めよう!
「酒精綿」の読み方や意味は?例文で解説
「酒精綿」は、「しゅせいめん」と読みます。
「酒」という字が入っていますが、飲用のお酒ではありません。
酒精綿の例文
- 「採血の際、一度使用した酒精綿は、同部位でも二度と使用してはいけない」
- 「購入したカット綿で、体温計の消毒用に使う酒精綿を作りました」
このように、医療に関する用語です。
実は、「酒精」とはエチルアルコールの古い呼び方で、現在では、「アルコール」を総称した漢字表記になります。
ですので、「酒精綿」は、「アルコール綿」(注射などの時、消毒に使うアルコールを浸みこませた脱脂綿)のことになります。
「酒精綿」の英語表現や言い換えは?
「酒精」は「アルコール」のことになるので、英語では、「alcohol」になります。
「綿」は英語で、「cotton」ですので、「酒精綿」を英語で言うと、「alcohol cotton」になります。
また言い換える場合は、「アルコール綿」でいいでしょう。
「酒精綿」と「アルコール綿」「清浄綿」の違いは?
「酒精綿」の「酒精」はアルコールの漢字表記になるので、「酒精綿」と「アルコール綿」は、基本的には同じものです。
あえて違いを付けるならば、
「アルコール綿」は、綿などの基布に、アルコール系の消毒薬を浸みこませたものです。
含浸させるアルコール系消毒液には、
- エタノール(エチルアルコール)
- イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
などがあります。
一方、「酒精」は元々、エチルアルコールの古い呼び方だったので、
「酒精綿」は厳密に言うと、綿などの基布に、エチルアルコールを浸みこませたものということになります。
つまり、
- 「アルコール綿」はアルコール全般を浸みこませたもの
- 「酒精綿」はエチルアルコールを浸みこませたもの
という違いになります。
また「清浄綿」とは、脱脂綿に精製水と低濃度の薬液を浸みこませ、フィルムパックで密封された物です。
高圧蒸気滅菌処理してあるので、開封しない限り無菌状態が保たれます。
そのため、主に
- 生まれたての赤ちゃんの口周りやおしりの清拭
- 授乳時のお母さんへの清拭
などに使われます。
ですので、刺激を与えないよう成分のほとんどは精製水(不純物の除去などを施した水)で、消毒液は0.01~0.02%程度の含有率になります。
したがって、「酒精綿」と「清浄綿」の違いは
- 「酒精綿」は成分のほとんどがアルコール消毒液
- 「清浄綿」は成分のほとんどが精製水
ということになります。
さいごに
以上、「酒精綿」の読み方や意味について解説してきました。
普段よく目にする文字も、漢字表記になると分かりにくくなるものがたくさんあります。
医療関係の言葉だけでなく、
- 洋股 → ズボン
- 米 → メートル
- 卓子 → テーブル
など様々なものがあります。
身近な物の漢字表記を、色々調べてみても面白いかもしれませんね。