スーパーやデパートに行くと、
- 「惣菜売り場」
- 「総菜売り場」
と書かれている所があります。
また、普段の会話の中でも、
- 「今日のおかずは何?」
- 「今日はスーパーのおそうざい売り場で買ってきたものですよ」
といったフレーズをよく耳にしますよね。
「惣菜」も「総菜」も「おかず」も、どれも同じことを言っているのだろうと、想像はつきます。
でも果たして、これらの言葉にどんな違いがあるのでしょうか?
そこで今回は、「惣菜」「総菜」「デリカ」「おかず」などの違いについて、わかりやすく解説していきます。
ちなみに今回の「惣菜」「総菜」のように、同じ読み方で使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「惣菜」の意味や漢字の成り立ちは?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「惣菜」とは、飯とともに食べる料理、副食のことで、いわゆる「おかず」と呼ばれているものです。
惣菜の例文
- 「今日の夕飯は買ってきた惣菜で済ませる」
- 「このデパートは惣菜が充実している」
などのように使われます。
通常、特に調理をせず、そのまま食べることが出来るものが対象になります。
本来は、家庭で調理した日常のおかずを意味していました。
しかし今は
- 市販のもの
- 宅配のもの
なども総じて、「惣菜」と呼ばれています。
- 「惣」の字は、「すべて」「そうじて」という意味
- 「菜」の字は、「野菜」「副食物(おかず)」という意味
です。
そのため、「菜(副食物)」のことを「惣(そうじて)」「惣菜」と呼ぶようになったのが、由来と言われています。
ですので、言い換える場合も
- 「おかず」 →「今日の夕飯は買ってきたおかずで済ませる」
- 「副食物」 →「このデパートは副食物が充実している」
となります。
英語にする場合、「おかず」という意味では
- 「side dish」
になりますが、「調理された食品」という意味の
- 「prepared food」
や、「日常の食べ物」という意味の
- 「daily dish」
などのようにも表現されます。
「総菜」の意味や由来は?「惣菜」との違いは?
「総菜」は、読み方も意味も「惣菜」と全く一緒になります。
「そうざい」は、元々「惣菜」と言う表記が主流でした。
しかし昭和21年に常用漢字が制定された際に、「惣」の字は含まれませんでした。
また、昭和31年に「国語審議会」が、「同音の漢字による書き換え」という資料を発表した際に、
「惣」を「総」に書き換える
ということも挙げられました。
ですので、「惣菜」と「総菜」は、読みかたも意味も同じということになります。
「デリカ」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「デリカ」は、「デリカテッセン」の略です。
現在日本では、調理済みの西洋風お惣菜、またそれらを売る店という意味です。
デリカの例文
- 「最近のホテルの朝食バイキングは、デリカテッセンのようになっている」
- 「デリカテッセンで買ったけれど、お弁当箱に詰めたら普通のから揚げ弁当みたいだ」
このように使います。
元々は、
- コンビニで売られるお惣菜やお弁当を製造する会社
- スーパーやデパ地下で売られるお惣菜を提供する部門
を指していて、洋風であるかどうかに関しては、考慮されていませんでした。
英語では、
- 「Delicatessen」
と表記されます。
語源は、ドイツ語で「美味しいもの」を表す、
- 「Delikatesse」
の複数形で、
- 「Delikatessen」
になります。
海外では、「美味しいものを売る店」という意味で使われます。
惣菜やお弁当を売るだけでなく、
- イートインコーナー
- 高級なグルメ食品
- 生活雑貨
などを取り扱う店もあるそうです。
「おかず」の意味は?英語では何ていう?使い方を例文で解説
「おかず」とは、副食や副食物、惣菜のことです。
おかずの例文
- 「今日の夕飯のおかずは何にしようかな」
- 「ごはんに合うおかずには何があるでしょう」
などのように使います。
漢字では、「御数」「御菜」と表記し、食事の献立の中で、主食(主に米飯)に付け合わせて食べる料理を幅広く指す言葉です。
言葉の由来は、
- 主食の周りを囲むように置くため「数」が必要ということから、「御数」
- 「菜」が副食物を表すということから、「御菜」
になったと言われています。
英語では
- 「side dish」
になります。
「惣菜(総菜)」「デリカ」「おかず」の違いと使い分け方は?
「惣菜(総菜)」「デリカ」「おかず」は、基本的にはどれも、「副食」「副食物」のことを指していて、意味的には変わりはありません。
現在使われているイメージで、これらの違いをまとめると、
「惣菜(総菜)」「デリカ」「おかず」の違い
- 「惣菜(総菜)」 → 市販や通販などで購入する副食物
- 「デリカ」 → 店で売られている西洋風の副食物
- 「おかず」 → 家庭で作られた(供された)副食物
と、このようになるでしょう。
「惣菜(総菜)」と「弁当」「おばんざい」の違いは?
「弁当」には、
- 外出先で食事をとる必要から携行した食べ物
- 料理店などで出す、主食と副食を箱などに詰めた物
といった意味があります。
つまり、食卓で並べられるものでなく、携帯できるよう箱などに詰められたものと言えます。
「おばんざい」とは、京都の家庭の日常的なおかずという意味です。
つまり、京都の家庭で作られるお惣菜を総じて、「おばんざい」と言います。
ですので、「惣菜(総菜)」と「弁当」「おばんざい」の違いは、
「惣菜(総菜)」「弁当」「おばんざい」の違い
- 「惣菜(総菜)」 → いわゆるおかずのこと
- 「弁当」 → 携帯するために主食やおかず(惣菜)を箱などに詰めたもの
- 「おばんざい」 → おかずの中でも京都の家庭で作られる日常的なおかず(惣菜)のこと
になります。
さいごに
以上、「惣菜」「総菜」「デリカ」「おかず」などの違いについて解説してきました。
総じていえば、どれも「おかず」という意味です。
意味としてはほぼ変わりはありません。
ですので、それぞれ状況によって、上手に使い分けて下さい。