- 「そこの角(かど)を曲がってください」
- 「部屋の隅(すみ)にテレビを置きます」
- 「荷物は端(はし)においてください」
- 「テーブルの縁(ふち)をもって運びます」
上の例文に出てくる、「角(かど)」「隅(すみ)」「端(はし)」「縁(ふち)」。
どこかの場所を指している言葉だということはわかります。
どれも似たような場所のようですが、実は全て違う場所を表しているんですよ。
これらの紛らわしい言葉を、しっかりと理解して使い分けができれば、言うことがないですよね。
そこで今回は、「角(かど)」「隅(すみ)」「端(はし)」「縁(ふち)」の違いについて、わかりやすく解説していきます。
それぞれの違いを理解して上手に使い分けて下さいね。
ちなみに今回のように、使い方の紛らわしい言葉は、ほかにもたくさんあります。
こちらの記事で特集していますので、使い分けができるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね。
知識を深めよう!
「角(かど)」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「角(かど)」とは、物のはしのとがって突き出た部分のことを言います。
角(かど)の例文
- 「机の角に足をぶつけた」
- 「次の角を右に曲がってください」
このように使います。
端っこが、とがって突き出して見えるということは、そのものを、外側から見ているということになります。
つまり、「角(かど)」は、とがって突き出している部分を外側から見た時の表現になります。
英語では、「曲がり角」などの意味の
- 「corner」
又は、「鋭利さ」「鋭さ」といった意味の
- 「edge」
などになります。
言い換える場合も
- 「コーナー」(次のコーナーを右に曲がってください)
- 「端」(机の端に足をぶつけた)
のようになります。
「隅(すみ)」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「隅(すみ)」とは、囲まれた区域の、くぼんだ端っこのことを言います。
隅(すみ)の例文
- 「部屋の隅に荷物を置いた」
- 「彼は重箱の隅をつつくような性格だ」
このように使います。
端っこがくぼんで見えるということは、そのものを内側から見ているということになります。
つまり、「隅(すみ)」は、とがって突き出している部分を内側から見た時の表現になります。
英語では、「角(かど)」と同じように「曲がり角」「隅っこ」などの意味の
- 「corner」
や、「一目につかないところ」「辺鄙な所」といった意味の
- 「nook」
などになります。
言い換える場合は、
- 「一角」(部屋の一角に荷物を置いた)
- 「片隅」(彼は重箱の片隅をつつくような性格だ)
のようになります。
「端(はし)」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「端(はし)」とは、中央や中心から一番離れた部分のことを言います。
端(はし)の例文
- 「行列の端に並んだ」
- 「机は部屋の端に寄せてください」
このように使います。
一番離れた部分全般を指すので、「角(かど)」や「隅(すみ)」も含みます。
その上に、空間的広がりを持つ物体や図形において、もっとも外側の境界線付近を表します。
英語では、「終わり」「末尾」といった意味の
- 「end」
や、「先」「先端」といった意味の
- 「tip」
などになります。
言い換える場合は、
- 「終わり」(行列の終わりに並んだ)
- 「端っこ」(机は部屋の端っこに寄せてください)
のようになります。
「縁(ふち・へり)」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説
「縁(ふち・へり)」とは、物の端の部分、物の周りの幅を持った部分のことを言います。
縁(ふち・へり)の例文
- 「崖の縁から下をのぞき込んでみた」(物の間際の部分)
- 「コップの縁が欠けてしまった」(物の周りの部分)
- 「新しく、黒縁眼鏡を買った」(周りの枠の部分)
このように使います。
「端」と同じように、もっとも外側の部分を表します。
でも「縁(ふち・へり)」の場合は、「崖っぷち」という言葉のように、そこで平面がなくなり、かどばっている部分全体も表します。
英語にする場合は、「鋭利さ」「鋭さ」といった意味の
- 「edge」
や、「骨組み」「枠(わく)」といった意味の
- 「frame」
などになります。
言い換える場合は、
- 「際(きわ)」(崖の際から下をのぞき込んでみた)
- 「枠(わく)」(黒い枠の眼鏡を買った)
のようになります。
「かど」「すみ」「はし」「ふち」「へり」の違いと使い分け方は?
それぞれの言葉の意味がわかったところで、違いをまとめておきましょう。
「角(かど)」「隅(すみ)」「端(はし)」「縁(ふち)」の違いまとめ
- 「かど」:物の端で、先の尖った突き出た部分
- 「すみ」:物の端ですが、囲まれた区域の内側のへこんだ部分
- 「はし」:「かど」や「すみ」を含む、中央や中心から一番離れた部分・空間の境界線付近
- 「ふち・へり」:物の端ですが、枠の部分や、そこで平面がなくなりかどばっている部分全体
と、このような違いがあります。
使い分け方のコツとしては、
「角(かど)」「隅(すみ)」「端(はし)」「縁(ふち)」の使い分け
- まずは「はし」を基準に考えます。
- 突き出ていたら → 「かど」
- くぼんでいたら → 「すみ」
- 枠の部分や平面がなくなりかどばった部分全体 → 「ふち・へり」
となります。
ちなみに、「ふち」と「へり」はどちらも、物の周りや間際の部分という意味で同じになります。
ただし、同じ「物の周りや間際の部分」でも、
- 「眼鏡のふち」や「額ぶち」のような「枠」を表す場合は「ふち」
- 「川べり」や「船べり」など、池や穴などに接したすぐそば
- 「畳のへり」や「リボンのへり」のような、周辺に付ける飾り物
などを表す場合は「へり」
を用いて、使い分けます。
さいごに
以上、「角(かど)」「隅(すみ)」「端(はし)」「縁(ふち)」の違いについて解説してきました。
どれも「端っこ」を表していますが、実際の場所は全く違いましたね。
間違った事を伝えたり、間違って解釈しないよう、よく理解していただいて、上手に活用してくださいね。