「世話を焼くって言うけど、なぜ”焼く”の?」
「世話を焼く」という慣用句を知っていますか?
「世話を焼く」とは、面倒を見るという意味があります。
でも「焼く」という言葉が含まれているのは不思議ですよね。
今回は、「世話を焼く」の意味や例文、なぜ「焼く」という言葉が使われているのかを、小学生でも理解できるように、詳しく説明していきます。
「世話を焼く」の意味や使い方は?間違い例と正しい例は?
「世話を焼く」は
- 面倒を見る、人に尽くす
という意味です。
「世話」とは、あれこれと面倒を見ること、もしくは手が掛かって面倒なことを意味する言葉です。
「焼く」の意味には、
- 物を燃やすという意味
- 苦労する・苦しい思いをするという意味
があります。
苦労している様子を「心を燃やしている」と表したのかもしれませんね。
この「焼く」は他にも「手を焼く」などの慣用句にも使われています。
「手を焼く」は上手くいかなくて困っているという意味です。
「世話を焼く」の「焼く」は苦労するという意味で使われているんですね。
「世話を焼かせる」という言い方に変えると、
- 人に余計な手間をかけさせる
- やっかいをかける
という意味になります。
意味が変わってしまうので、使い方には注意しましょう。
似た言葉に「おせっかいを焼く」という言葉があります。
「おせっかいを焼く」は必要以上に世話を焼いて、逆に迷惑になってしまっている時に使われます。
間違って使わないように気をつけましょう。
正しい例文
- 彼は学級委員として、クラスメートに世話を焼いている。
間違った例文
- 彼女は僕の事を気にしてくれて、あれこれとおせっかいを焼いてくれる。
また、「世話を妬く」は間違いです。
「妬く」はうらやましく思う、嫉妬(しっと)するという意味です。
「焼く」とはまるっきり意味が変わってしまいますね。
「世話を焼く」の類語、対義語は?英語では何ていう?
「世話を焼く」の類語は
- 「手助けをする」
- 「面倒を見る」
- 「サポートする」
などがあります。
「世話を焼く」の対義語は明確にはありませんが、
- 面倒を見ない
- 助けない
という意味を持った言葉を対義語として考えてもいいでしょう。
そのため、
- 「妨げる(さまたげる)」
- 「放っておく」
が近いでしょうか。
「妨げる」は
- 邪魔をする
- 妨害をする
という意味で、
「放っておく」は
- 放置したままにしておく
という意味です。
「世話を焼く」を英語にすると
- 「take care of ~」
- 「to meddle」
です。
ただ、「to meddle」は、おせっかいを焼くに近い使われ方をするため、基本的には「take care of ~」を使うのがいいでしょう。
「take care of ~」は良い意味で使われ、「to meddle」は悪い意味で使われます。
例文
- She is taking care of the rabbit(彼女はウサギの世話を焼いている)
「焼く」を使っていますが「burn(燃やす)」などは使いません。
「世話を焼く」はあくまで日本独自の使い方ですね。
「世話を焼く」と「世話をする」の違いは?
「世話を焼く」と「世話をする」はどちらも同じです。
面倒を掛けるという意味で「世話を焼かせる」という言い方をしますが、「世話をする」
にはそういう言い回しは無いため、その辺りの使い勝手に違いがあります。
基本的にはどちらを使っても問題ないでしょう。
さいごに
「世話を焼く」とは
- 面倒を見る
- 人に尽くす
という意味です。
「焼く」という言葉が含まれていますが、「焼く」には苦労するという意味もあるため、そこから来た慣用句です。
世話を焼くのは、気遣いができて優しい人ですが、やりすぎておせっかいだと思われないように、あなたも気をつけてくださいね。