あなたはギャッジアップする際、角度ごとに適した使用用途があるのをご存じですか?
「ギャッジアップって言ったら、食事介助で使うんじゃないの?」
そう、もちろん食事介助でも使います。
でも、食事介助中のギャッジアップの角度と、食後のギャッジアップの角度って違うんですよ。
今回は、そんなギャッジアップの角度について、詳しくご説明しますね。
ギャッジアップの角度の目安は?状況別に解説
まずは、ギャッジアップが必要な介助について、角度と目安を挙げていきます。
- 食事介助
- 胃ろうの注入時
- 褥瘡(床ずれ)予防
- 起き上がりの介助
それぞれについて簡単に説明しますね。
食事介助のとき
一番有名なギャッジアップを必要とする介助と言えば食事介助です。
これに関しては、利用者様の自立度ごとに適切なギャッジアップの角度があります。
角度は45度以上が良いとされています。
もちろん角度が大きければ大きいほど良いとされ、可能でしたら60度以上にすると良いでしょう。
褥瘡(床ずれ)予防の目的で
褥瘡(床ずれ)予防のためには30度程度のギャッジアップを心がけましょう。
角度がつきすぎても、平坦でもいけません。
胃ろうを注入するとき
胃ろうの注入時にも30度程度のギャッジアップを心がけましょう。
起き上がり介助のとき
起き上がり介助時は、15度~20度が目安です。
起き上がりの介助と聞くと、フラットでするという場合が多いでしょうが、是非15度程度でやってみてください。
それぞれの角度になる理由は?
さきほど言ったように、介助の種類によって、ギャッジアップの角度は適したものに合わせます。
でも、それぞれの角度には当然理由があって、この理由を理解しておけば、覚えやすいですよ。
ですので、
- 食事介助が45度以上必要な理由
- 胃ろうの注入時及び褥瘡(床ずれ)予防の為に30度を保持する理由
- 起き上がりの介助の時に15度ギャッジアップするとよい理由
それぞれの角度について、以下に理由を説明します。
食事介助が45度以上、出来れば60度必要な理由
食事介助の際には、ギャッジアップを45度以上に保つ必要があります。
なぜなら、この角度未満だと誤嚥しやすいからです。
角度が低い場合って、あごが後ろに反ってしまいますよね。
そうすると、食べ物が食道へ行かずに、気道の方に流れてしまいやすくなります。
それを防止するためにも45度以上はギャッジアップしましょう。
また食事介助の場合、以下のような利用者様の状態により、角度を変更するとよいでしょう。
- ある程度座っていられる場合
- 座った状態が難しく、全介助の必要がある場合
それぞれ場合について説明します。
ある程度座っていられる場合
自力で食事をできる方には、60度までギャッジアップして差し上げましょう。
この場合、座ったような感じになり、食事がしやすくなります。
座った状態が難しく、全介助の必要がある場合
寝たきりの利用者様など、座った状態が難しい方には、食事中だけでも45度程度のギャッジアップをしましょう。
あまり角度を上げると、体の痛みの訴えがあったり段々体勢が崩れてきます。
それを避けるためにも45度程度のギャッジアップで留めます。
胃ろうの注入時及び褥瘡(床ずれ)予防の為に30度を保持する理由
胃ろうの注入時と床ずれ予防は、同じ理由になります。
胃ろうの注入時も床ずれ予防時も、その状態を維持する必要があるからです。
その際に角度をつけておくと、利用者様の体重は仙骨など床ずれのできやすい位置に集中します。
ただし、いくら30度前後にしておいても床ずれは起きやすいので、足側も軽く上げてあげましょう。
これだけで結構楽な体制になります。
起き上がりの介助の時に15度ギャッジアップするとよい理由
意外かもしれませんが、15度前後ギャッジアップしておくと、利用者様の体を起こす際に、介助者の負担が減ります。
15度上げておくことで、あらかじめ利用者様の身体が少し起きていますよね。
その状態で利用者様に横向きになっていただいて、足をベッドの外に出してもらってください。
介助者の力はあまり必要なく、重力で足が降りて、利用者様の体も起きやすくなります。
ただし、これ以上のギャッジアップしてから起き上がりの介助をしてはいけません。
利用者様の身体への負担が増すようになってしまいます。
さいごに
いかがだったでしょうか。
ギャッジアップって、様々な介助や日常の何気ない時に有効利用ができるのです。
利用者様にも介助者にも適した役目があるために、ギャッジアップ出来るベッドが介護の場面で使用されるのです。
是非ギャッジアップを有効利用してくださいね。
利用者様はもちろん、あなたを含む介助者も身体を壊しては、介護という仕事は成り立たなくなってしまいます。
利用者様の体を労わると同時に、ギャッジアップを有効利用して、あなたの体も大事にしてくださいね。