「きゅうりとズッキーニって、違うもの?」
スーパーで野菜を買う時、見た目がよく似た野菜を見かけたことはありませんか?
例えば、きゅうりとズッキーニ。
この二つはよく似ていますが、調理方法も一緒でいいのでしょうか。
「見た目が似てるんだし、一緒でいいんじゃない?」と軽く考えているあなたは要注意!
実は見た目こそ似ていても、美味しく食べられる調理方法は全然違うんです!
そこで今回は、きゅうりと見た目がよく似た野菜について、いくつかご紹介していきます。
「きゅうり」とは?見た目の特徴など
まずはきゅうりについて。
きゅうりは漢字で「胡瓜」と書き、インドもしくはヒマラヤ山麓原産の植物です。
読んで字の如くウリ科の植物で、「胡」という字は中国から見た西方諸民族、つまりインドやヒマラヤの方面を指します。
原産地からシルクロードを通じて中国に伝わり、その後日本に伝来したんですね。
熟すると実が黄色くなることから「黄瓜(きうり)」と書くこともあります。
ただ、完全に熟してしまうと甘みが薄くなり、あまり好まれないため、現在では未熟な緑色の実が使われています。
実の表面には小さなトゲがあり、このトゲがより硬いほど新鮮であるという目安にもされています。
日本に伝来したのは平安時代と言われており、現代でもサラダや浅漬けなどでよく使用される馴染み深い野菜の一つです。
とあるアニメ映画で採れたてのきゅうりを生で食べるシーンがあった通り、加熱せずに生に近い状態で食されることが多い野菜です。
「ズッキーニ」とは?見た目の特徴など
続いてズッキーニについて。
ズッキーニはきゅうりと同じウリ科の植物で、見た目こそきゅうりに似ています。
しかしどちらかというと、カボチャの仲間に分類されます。
カボチャに近い丸い形をしたものや、ひょうたんのようにくびれのある形をしたもの、さらには黄色く熟したものまで、日本国内でも様々な種類のズッキーニが流通しています。
北アメリカ南部からメキシコ地方が原産とされており、日本に流通した時期も1980年頃と、きゅうりに比べるとごく最近です。
また、きゅうりが生食メインであることに対して、ズッキーニは加熱してから食されることが多いです。
玉ねぎやトマトなどの野菜と一緒に煮込む「ラタトゥイユ」、衣を付けてサクッと揚げる「フリット」などが、調理の代表例として挙げられます。
見た目こそきゅうりに似ていますが、実は食材としての性質はナスに近いので、ナスを使うレシピの代用でズッキーニを使ってみてもいいかもしれませんね。
「へちま」とは?見た目の特徴など
きゅうりに似た見た目の野菜としてもう一つ挙げられるのが、へちまです。
実が成熟すると、網目状の繊維が発達することから、漢字では「糸瓜」と書きます。
元々の読みも「いとうり」でした。
これが次第に「と瓜(とうり)」になり、「と」の字はいろは歌で「へ」と「ち」の「間(ま)」にあることから「へちま」と呼ばれるようになったと言われています。
きゅうりと比べると大きく楕円形をしており、熟する前の若い実は皮を向いて食用とすることもできます。
沖縄ではゴーヤと並ぶ代表的な夏野菜として好まれています。
成熟したあとの実は次第に乾燥していき、種子の周囲が繊維で支えられた空洞となります。
この硬くなった繊維は、たわしとしても利用されます。
沖縄ではそのたわしを、かつて鍋洗いに使用していたため、へちまを「ナーベーラー」とも呼ぶようです。
また、完熟を迎える頃に茎を少し切っておくと、へちま水と呼ばれるものが採れ、化粧水や塗り薬などにも使用されます。
「冬瓜」とは?見た目の特徴など
最後に「冬瓜(とうがん)」について。
まず注意していただきたいのは、冬の瓜と書きますが冬瓜の旬は夏であるということ!
夏に収穫しても玉のまま冷暗所に保管すれば、冬まで日持ちさせることができるため「冬瓜(とうが)」の名前が付き、それが転じて「とうがん」と呼ぶようになりました。
見た目はきゅうり……というより小ぶりなスイカを縦に引き伸ばしたような形で、切ると白い果肉が現れます。
スーパーなどで半分や四分の一にカットされた状態で売りに出されているのを、あなたも見たことがあるのではないでしょうか。
また、こちらも生食より加熱してから食べるのが一般的です。
スープやあんかけなどにすると美味しく食べられるので、もしよかったら試してみてくださいね。
「ズッキーニ」「きゅうり」「へちま」「冬瓜」の違いや見分け方は?
最後に「ズッキーニ」「きゅうり」「へちま」「冬瓜」、それぞれの違いについて、簡単にまとめていきます。
きゅうり→
表面に小さなトゲがある。
未成熟の緑色の実を食べ、生食でも美味しい。
ズッキーニ→
きゅうりに似た見た目のものからカボチャに近い形のものまで様々。
加熱してから食すことが多く、油を使う料理や煮込み料理との相性が良い。
へちま→
きゅうりより大きく、楕円形をしている。
茎からへちま水が採れたり、成熟させて出来る繊維がたわしとして使用されたりする他、沖縄では夏
野菜としても好まれている。
冬瓜→
色合いこそきゅうりそっくりだが大きさはスイカに近い。
漢字に「冬」と入っているが実は夏が旬の野菜で、こちらも加熱調理すると美味しくなる。
さいごに
いかがでしたか?
どんなに見た目が似ているからと言っても、調理方法や性質まで全て似ているとは限らないので、注意が必要ですね。
今度スーパーの野菜売り場を通る時は、ぜひ少しでも意識してみてください。