食事介助中に利用者様が嘔吐した経験はありませんか?
私も最初はどういう風に食事介助したらよいのかわからず、無心に食事介助をしていました。
すると、突然利用者様が「食事を吐いちゃった」って経験、何度かあるのです。
でも、これから私がお伝えする方法を意識するようになってから、うまく食事介助ができるようになったんです!
そんな私の失敗談を交えながら、あなたが食事介助でうまくいくように、留意点をベッド上・椅子・車椅子の場合に分けてわかりやすくお話ししますね。
食事介助の姿勢!ベッド上でのポイントは?
ベッド上での食事介助は以下のポイントに注意しましょう。
- リクライニングの角度を60度前後にする
- 足側も少しあげておく
- 頭の後ろに枕を置いておく
それぞれについて、以下に詳しく説明します。
ポイント1:リクライニングの角度を60度前後にする
この角度、すごく重要なのです。
「角度が大きいほど座った時に近いので、いいんでしょ?」
ってあなたも思いませんでしたか?
私も最初そう思いました。
でも、利用者様って、あまり角度をつけすぎると、苦しいのです。
苦しいと、段々体をねじって、ベッド上で斜めになってしまいます。
そうなってしまうと、角度をつける意味がないですよね。
かといって、角度が緩いと、うまく飲み込めずに吐いてしまうことが多いのです。
よって、リクライニングは60度前後にしましょう。
ただし、60度でも辛そうな利用者様には、必要に応じて角度を緩くしてあげてくださいね。
ポイント2:足側も上げておく
足元を上げておくこと、これ、意外と見落としやすいのです。
頭側だけ上げておくと、利用者様は足側にずり落ちてきたって経験はないですか?
これは腰をベッドの折れる部分に合わせて、利用者様の体を固定するためには欠かせません。
やってみたことないって場合は、ぜひやってみてください。
ポイント3:頭の後ろに枕を置いておく
食事介助するからと言って、枕を外してはもったいないです。
なぜなら、食事介助するのに枕をいれておくと、利用者様の首が後ろに向いてしまうことが避けられます。
首が後ろに向いてしまうと、食べたものが誤嚥しやすいので注意してくださいね。
よって、枕は食事介助の時もおいておきましょう。
食事介助の姿勢!椅子でのポイントは?
続きまして、椅子でのポイントをお話ししますね。
- 椅子は両足の裏が床につく程度の高さにする
- 前かがみ気味で食べていただく
それぞれについて説明しますね。
ポイント1:椅子は両足の裏が床につく程度の高さにする
椅子は両足が宙に浮かないようにしましょう。
椅子に足がついていないと、不安定で気持ち悪いですよね。
利用者様にとっても同様ですし、姿勢が安定して食事がしやすくなります。
よって、椅子の高さは足の裏が床につく程度にしましょう。
ポイント2:前かがみ気味で食べていただく
食事の際は、若干前かがみ気味で食べていただきましょう。
後ろに反って食べようとすると、嚥下しにくいのです。
それに、あごを引いてちょっと前かがみの方が、食事内容を利用者様も確認出来て、楽しみを感じられます。
よって、食事は前かがみ気味に食べてもらいましょう
食事介助の姿勢!車椅子でのポイントは?リクライニングなど
通常の車椅子は椅子と特に変わりません。
しかし、リクライニング車椅子の場合は、以下の点に注意しましょう。
- 背もたれは60度前後にする
- 足はフットレストにしっかりつける
それぞれについて説明しますね。
ポイント1:背もたれは60度前後にする
リクライニング車椅子の良いところは、角度を変えられることです。
「食事するのだからしっかり立てたほうがいいじゃない?」
と思うかもしれません。
でもベッド上と同様、利用者様にとっては結構苦しいです。
楽な体制、60度前後にすると、利用者様にとっても安楽な体制になります。
楽だからと言って寝かしすぎると、誤嚥しやすくなるので注意してくださいね。
背もたれは60度前後がちょうどよいのです。
ポイント2:足はフットレストにしっかりつける。
リクライニング車椅子の場合、足はしっかりフットレストに着けていただきましょう。
そうしないと、体制が斜めになるため、体が段々前に滑り落ちてきて危険です。
フットレストにつけていただくと、利用者様も踏ん張りやすくなります。
通常の車椅子なら、あえてフットレストは収納して、床についてもらってくださいね。
床に足をついてもらった方が安定します。
まとめ
食事の時の姿勢は、ベッド上・椅子・車椅子のどれも基本は一緒ですが、少しずつ違います。
慣れるまでは難しいかもしれません。
でも、実際に食事介助をしながら、上に挙げたポイントを思い出して、実行してみてください。
正しく介助することで、利用者様に食事を差し上げるだけでなく、食事することの楽しみも差し上げることができます。
正しいポジショニングを覚えて、あなたと利用者様にとって楽しい食事の時間を過ごしてくださいね。