「んっ?北海道には梅雨がないの?」
梅雨という言葉を辞書で調べてみると、
 ”日本の春から夏に移る時期に本州・四国・九州・沖縄地方で見られる雨の季節”
 とあります。
単に”日本で見られる”ではなく、”本州・四国・九州・沖縄地方で見られる”と
 限定されているのが気になりますよね!
辞書で言ってるぐらいなんだから、北海道に梅雨がないのは本当かもしれません。
不思議ですね~(゚д゚)
「じゃあ、なんで北海道に梅雨がないの?」って思いませんか?
あの梅雨の時期の、ジメジメとした毎日が北海道にはないと思うと、
 少しうらやましい気がしますよね。
もしかして、北海道民が観光客を呼びたい一心で、
 「北海道には梅雨がないですよー!」とアピールしているだけかもしれません。
そこで今回は、北海道に梅雨がない理由を分かりやすくするために、
- 自然現象としての梅雨とは?
- 気象用語としての梅雨とは?
に分けてお伝えしています。
順に読み進めていただければ、
 なぜ北海道に梅雨がないのかを、簡単に理解することができますよ~♪
学校ではなかなか教えてくれない、
 ワンランク上の知識が身につきますので、
 楽しみにしていてくださいね(^^)v
それでは参りましょう!
北海道に梅雨がない理由とは?
同じ梅雨という言葉でも、学校の理科の授業で習うような
 自然現象としての梅雨なのか、私たちの生活に密着した
 気象庁が発表する気象用語としての梅雨なのかで、
 意味合いが少し変わってくるんです。
北海道に梅雨がないと思われているのは、
 この2つの意味合いがごちゃごちゃになっているからなんですね。
ここを分けて考えるとスッキリしますよ。
自然現象としての梅雨とは?
なぜ梅雨が起きるのでしょうか?
まずは簡単に梅雨の仕組み・メカニズムを知っておきましょう。
梅雨の仕組み・メカニズムを簡単に言うと・・・
- オホーツク海高気圧という冷たい空気と、
 太平洋高気圧という暖かい空気が、6月ごろに日本周辺でぶつかる
- その境目に梅雨前線ができ、これが本州に停滞するので、
 沖縄を皮切りに梅雨になる
- 冷たい空気と暖かい空気が押したり引いたりを繰り返す
- 梅雨前線は徐々に北上し、北海道付近に近づくと暖かい空気の勢いが弱まる
- 北海道あたりで梅雨前線は自然に消滅する
大まかに見れば、北海道あたりで梅雨前線が自然消滅するので、
 北海道には梅雨がないと言えますね。
でも、厳密に言うとどうなるのでしょうか?
 下の地図を見てください。

北海道の最南端である白神岬の緯度は北緯41度23分
 本州の最北端である大間崎の緯度は北緯41度33分
 です。
なので、本州の最北端の方が、北海道の最南端により
 北にあるということがわかりますよね。
という事は、北海道でも梅雨前線がかかる場合もありますし、
 青森でも梅雨がない場合もあるということです。
実際に、北海道には蝦夷梅雨(えぞつゆ)といって、
 梅雨のような、雨模様の日が長く続く現象があるんですよ。
でも、蝦夷梅雨(えぞつゆ)というのは、定義上、
 「オホーツク海高気圧から冷たく湿った風が吹くことによって起こるもの」で、
 梅雨前線の影響で起こるものではないとされています。
というわけで、自然現象という視点で見ると、
 梅雨が「ある」と「ない」の境界線ははっきり引けないんですね(゚д゚)!
そこで、北海道に梅雨がないと認識されるようになった
 もう一つの理由を見ていきましょう。
気象用語としての梅雨とは?
自然現象での梅雨は、北海道でもありうるということがわかりました。
当然と言えば当然ですよね。
だって、地震や台風と一緒で自然現象なんですから、
 こちらが場所を特定するのなんて不可能に決まっています。
ではなぜ、北海道に梅雨がないと思われるようになったのでしょうか?
実は、梅雨の情報を天気予報で発表するのは日本だけなんですよ(゚д゚)!
気象庁が発表する梅雨とは
- 梅雨前線の影響で降る長雨の期間
- ある地域の「梅雨入り」から「梅雨明け」までの期間
のことをいいます。
気象庁は天気予報を通じて、生活に密着した情報を
 国民に提供することが使命ですよね。
自然現象のところでも言ったように、
 北海道は梅雨前線がかからない年がしばしばあります。
年によって、梅雨入り宣言をしたりしなかったりでは困るということで、
 気象庁が北海道に対して、梅雨入り宣言をしないのです。
梅雨入り宣言をしないということは、当然梅雨明けもないということなので、
 どれだけ大雨がふろうと雨が長く続こうと、
北海道に梅雨はないのです。

生活の便宜上、そう決められただけであって、
 梅雨のような状態(えぞつゆ)になる可能性は、
 十分にあると言うことですね(^o^)
まとめ
いかがでしたか?
自然現象と気象用語での梅雨の解釈を、分けて考えるとスッキリしませんか?
ここで、今までのことを簡単にまとめておきますね!
- 梅雨前線は北海道あたりで消滅しやすい
- 北海道最南端よりも、本州最北端の方が北にあるので線引きは不可能
- 気象用語での梅雨は、梅雨入りから梅雨明けまでの期間のことを指す
- 気象庁は北海道での梅雨入り宣言をしない
- したがって北海道では梅雨がない
です。
梅雨という日本独自の考え方は風情があっていいものですね。
梅雨と書いて、「ばいう」なのか「つゆ」なのかについては、
 こちらの記事も楽しいですよ(^^)v
⇒⇒ 梅雨の語源とは?漢字や名前の由来を子ども向けにわかりやすく
ちなみに、昨年の6月に旅行で北海道に行ってきたんですよ。
その時のバスガイドさんが、
 「梅雨がないと言われている北海道でも、
  近年梅雨が来るようになったんです(゚д゚)!」
 と言っていました。
もしかすると、梅雨前線が温暖化の影響かなんかで、
 消滅する場所が、年々北上していってるのかも知れません。
説明は以上ですが、今回わかった知識をぜひ友達にも教えてあげてくださいね!
あなたが「梅雨」などの季節の言葉について、
 少しでも興味を持っていただけたなら、私も嬉しいです。
 
 