介護中に利用者様が嘔吐したときの対応、どうしようか迷いますよね。
ギャッジアップしたらいいのか、するならばどれくらい角度を付けたらいいのかも、判断が難しいです。
たしかに私も介護の仕事をし始めのころ、どうしようか悩んでいました。
実際、対処法を間違えたと感じたことも多々あります。
でも大丈夫です、これからお伝えすることを実行すれば、あなたも…
- 嘔吐時の対応
- 嘔吐時のギャッジアップが有効かどうか
これらの点について、簡単に理解できるようになりますよ。
それでは私の失敗談を混ぜながら、利用者様の嘔吐時の対処法を紹介しますね。
介護中に嘔吐した時の対処法は?
私のお勧めする対処法は以下の通りです。
- 側臥位(横向き)もしくは腹臥位(うつぶせ)にする
- 口の中に嘔吐物が残っている場合取り除く
- 嘔吐物の処理をする
それぞれについて詳しく説明します。
側臥位(横向き)もしくは腹臥位(うつぶせ)にする
まずは側臥位か腹臥位にします。
仰臥位(あおむけ)の状態で嘔吐を続けると、むせたり嘔吐物が器官内に入り込み危険です。
嘔吐物が重力に沿ってのどに流れ込まないようにする必要があります。
よって、仰臥位か腹臥位にしましょう。
口の中に嘔吐物が残っている場合取り除く
口の中に嘔吐物があるなら、可能な範囲で取り除きましょう。
嘔吐物が残っていたら、さらに嘔吐が続く可能性があります。
ただし、あまり指を奥まで突っ込まないようにしてください。
奥まで突っ込もうとすると、それが原因で嘔吐します。
あくまで可能な範囲で嘔吐物を取り除く必要があります。
嘔吐物の処理をする
嘔吐物の処理を早めに行いましょう。
嘔吐物をそのままにしておいては、その匂いで再び嘔吐することがあります。
また、感染症が原因の場合、感染ルートを広げる原因にもなりかねません。
よって、早めに嘔吐物の処理を行いましょう。
嘔吐時のギャッジアップは?
嘔吐時、ギャッジアップすることはお勧めできません。
とはいっても、私も介護の仕事につきたての際には、嘔吐した時はよく利用者様のベッドを、すぐギャッジアップしていました。
でも、これは良くないのです。
なぜなら、ギャッジアップすることにより、胃の方に嘔吐物が逆流しかねません。
誤嚥防止にはなります、でも嘔吐するってことは、身体が何か異物を排除しようとしている反応なのです。
その時は、素直に吐いてしまった方が回復は早いのです。
よって、ギャッジアップすることはお勧めしません。
どうしてもギャッジアップする場合には、嘔吐が落ち着いてから30度程度にしましょう。
なぜならギャッジアップを30度程度することで、誤嚥防止効果や褥瘡予防効果があります。
逆にギャッジアップしすぎると、腹部の圧迫を招き、余計に嘔吐を招きかねません。
よって、もしギャッジアップするならば30度程度で留めましょう。
利用者様の嘔吐!その他注意点、NGなことなど
その他の注意点、NGな事は以下の通りです。
- 嘔吐の他に症状がないか確認する
- 水分補給は嘔吐が治まってから行う
それぞれ説明します。
嘔吐の他に症状がないか確認する
嘔吐しただけでなく、どこかに痛みがないか確認しましょう。
なぜなら、嘔吐自体は時々あることなのですが、まれに重大な病気が隠されていることがあるからです。
腹痛がある場合は食中毒や胃がんの可能性が、頭痛やめまいがある場合は脳卒中や脳梗塞の可能性があります。
よって、嘔吐以外の症状には注意しておきましょう。
水分補給は嘔吐が治まってから行う
嘔吐しているから早く水分補給をしようという考え、私も最初はありました。
でもそれはいけません。
嘔吐が治まってから、水分補給を促しましょう。
嘔吐したからと言ってすぐに水分補給を促すと、余計に嘔吐してしまう可能性が高いのです。
嘔吐する時って、水分も一緒に出てきますよね?
そこに水分を足してしまうと、良くも悪くも嘔吐をしてしまいます。
よって、嘔吐が治まってからゆっくりと水分補給を促しましょう。
さいごに
いかがだったでしょう。
嘔吐したらギャッジアップ、というのは意外と良くないのです。
利用者様が嘔吐した場合は、まず横にしましょう。
嘔吐することはしばしばあるのです。
実は吐いているのを止めるよりも、楽に吐いていただいた方が後々利用者様にとっては楽なのです。
また、原因のものが体内からなくなれば、嘔吐は治まります。
嘔吐するときの対応は怖いでしょうが、落ち着いて対応してくださいね。