食後、利用者様に臥床していただいていたら、嘔吐していたという経験はないですか?
何も考えずに臥床していただくと、利用者様の身体への負担はとても大きいです。
そこで、利用者様の身体への変化や、どのようにすれば安全安楽に臥床して頂けるか、順を
追って説明していきますね。
食後に臥床する場合のポイント3つ
あくまで理想は、しばらく起きていただくことです。
しかし、すぐに臥床が必要な時もあります。
やむなくすぐに食後に臥床する場合には、以下のポイントに注意しましょう
- 食後30分、少しでも頭を上げておく
- 口腔ケアをする
- 意識を確認する
それぞれについて説明しますね。
1.食後30分、少しでも頭を上げておく
食後すぐに臥床していただく場合、出来れば45度、難しい場合は30度程度頭を上げておきましょう。
食後はすぐに臥床してしまうと、食べたものが食道に逆流しやすくなるからです。
そのため、少しでも逆流しないように頭を上げることが効果的です。
利用者様は胃部に不快感があっても、自力では体を起こすことは困難です。
なので、あらかじめ頭を上げておくと良いでしょう。
可能ならば食後すぐに寝かすことは控えましょう。
2.口腔ケアをする
食後には出来れば臥床する前に、口腔ケアをしましょう。
食事をした後は、口腔内に食物の食べかすが残っていることがあります。
食べかすが残っていると、それが食道の方に上手いこと流されていけばよいですが、そうとは限りません。
気道に流れ込む危険があります。
そんなことになってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす恐れがあります。
あなたもご存じとは思いますが、誤嚥性肺炎は高齢者の死亡要因の上位に属します。
しかも、再発リスクが非常に高く、完治が難しいです。
そんなリスクは避けたいですよね?
よって、口腔ケアをすることをお勧めします。
3.意識を確認する
当たり前と思われるでしょうが、意識の確認が必要です。
利用者様によっては、単に眠たいから、もしくは睡眠剤を服用していることもあります。
そうなると、食後すぐに眠っているということもあります。
当然ながら、誤嚥の危険が高いです。
よって、意識があるかは確認しましょう。
食後に臥床する場合にやってはいけないこと
食後に臥床する場合にやってはいけないことは、
- 【やってはいけない】すぐに臥床させ、フラットにすること
- 【やってはいけない】右側臥位にすること
こちらもそれぞれ説明していきますね。
1.【やってはいけない】すぐに臥床させ、フラットにすること
食後間もなく、頭を上げることもなく臥床させることは避けましょう。
なぜなら、圧倒的に食べたものが逆流するリスクが上がるからです。
食べてすぐに横になってしまうと、食べたものは胃まで到達してすらない可能性があります。
その状態で頭が上がってないと、逆流して嘔吐することもあるでしょう。
よって、すぐにフラットの状態で臥床していただくことは避けましょう。
2.【やってはいけない】右側臥位にすること
臥床していただく際には、左側臥位になっていただきましょう。
なぜなら、胃の形状に理由があるからです。
胃と食道のつながっている部分が、実は右側が上に向いているのです。
右側臥位にしてしまうと、胃に入っているものが重力によって食道へ逆流する可能性があります。
よって、左側臥位にしましょう。
ただし、右側臥位にした場合は、消化には適しているのです。
誤嚥の危険がない利用者様に対しては、右側臥位も適正となることがあります。
まとめ
食事介助後の対応って凄く大事なのです。
例え食事を正しくとってもらえたとしても、その後の対応で利用者様は急変します。
食事介助は、利用者様が食事を食べ終わるまでで終了ではありません。
むしろ、食べ終わってからが本番でもあります。
でも、難しく考えてはいけません。
あなたが食後にとりたくない行動は、利用者様にも同様に不向きなのです。
意外と、良い対応方法は単純なのです。
食後の対応は急がず慌てず、落ち着いて対応してくださいね。