ホテルのキャンセル料って、ルールが分かりづらいです。
払わなくてもいい場合もあるのでしょうか?
もし払わないとどうなるのでしょうか?
泊まりがけで旅行に行く時、交通手段と同時に考えなくてはならないのが宿泊地ですよね。
交通の便がいいところにするか、景色が綺麗なところにするか、はたまた食事付のプランや大浴場があるホテルを予約するのか、優先順位は人それぞれあることでしょう。
しかし、
- 「台風・大雨で電車や飛行機が運休になり、目的地に辿り着けなくなってしまった」
- 「急に体調を崩して行けなくなってしまった」
などといった、想定外の事態に陥ることもあります。
そんな時、気になるのが、ホテルのキャンセル料について。
「どうしてもホテルまで行けないのに、キャンセル料って絶対払わないといけないの?」と心配になりますよね。
今回はそんなあなたに、ホテルを予約する時に気になるキャンセル料について、詳しくご説明いたします。
ホテルのキャンセル料はなぜあるの?
ホテルの予約サイトやホームページを開くと、必ずどこかにキャンセル料の規定が記載されています。
キャンセル料は、
- いつから発生するのか?
- いくらかかるのか?
これらは、ホテルや予約するプランによって様々です。
キャンセル料が全くないホテルはありませんよ、と言っても過言ではないでしょう。
では、なぜホテルのキャンセル料は存在するのでしょうか。
理由は大きく分けて二つあります。
理由その1:その宿泊予約のために発生するコストを補うため
予約を受けたホテルは、その予約のために客室を清掃し、備品を揃え、お客様が快適に過ごせる空間を用意しています。
朝食や夕食のために、食材を仕入れて、仕込みを行うこともあるでしょう。
そこには当然、光熱費や人件費などのコストがかかってくるわけです。
そんな中で予約をキャンセルされてしまうと、発生したコストの分赤字になってしまいます。
そのコストを最小限に抑えるためにも、キャンセル料を設定しているのです。
理由その2:キャンセルの発生を防ぐため
ホテルが持つ部屋数には限りがあるため、その部屋数以上の利益を出すことはできません。
そのため、当日キャンセルが発生すると、代わりの宿泊者の確保ができず、売上が落ちてしまいます。
先ほどお話ししたコスト面も合わせて、ホテルにとって非常に大きな痛手となるため、できるだけキャンセルの発生は避けたい所です。
そのため、「キャンセルしても料金は払ってもらいますよ」と明記しておくことで、利用者の心理に訴え、キャンセルを防ごうとしているのです。
ホテルのキャンセル料を払わないとどうなる?
キャンセル料を規定として決めているホテルは、キャンセル料が発生した場合、必ず請求することができます。
請求された側が支払うかどうかを決める権利はなく、請求を拒否する権利もありません。
万が一、請求を無視してキャンセル料を踏み倒そうとしても、民事訴訟になればホテル側の勝訴になり、キャンセル料のみではなく訴訟費用まで請求される羽目になります。
「前に一度当日キャンセルしちゃったことがあるけど、別に払わなくてもよかったよ?」という方もいるでしょう。
しかし、それは「ホテル側の好意・配慮」であることを忘れないでください。
電話などで連絡が取れて、あなたの事情によっては、ホテル側の好意でキャンセル料を免除してくれる場合もあります。
また、キャンセル料自体も予約一件につき、数千円〜数万円程度と少額です。
つまり、民事訴訟を起こす方が負担になるため、ホテルが実際に訴訟を起こすケースはあまりありません。
しかし、
- 何度も当日キャンセルを繰り返す
- 高額な部屋を複数予約しておきながら踏み倒す
など、悪質なケースの場合は、ホテル側も強気になります。
記録が残れば、今後そのホテル(東横インのような系列ホテルの場合はグループ全体)の利用を断られてしまうこともあります。
ですので、もしキャンセル料を請求されたら必ず応じるようにしてください。
ホテルのキャンセル料が免除されるパターン3つ
では、実際にホテルのキャンセル料が免除されるパターンはどんなものがあるのでしょうか。
具体的にご紹介します。
免除されるパターン1:台風・大雨などの自然災害で、ホテルにたどり着くこと自体が不可能になった場合
これは分かりやすいですね。
自然災害が発生すると、電車や飛行機の到着時間に大幅な遅れが発生したり、運休になったりすることがあります。
これは人の手ではどうにもならない不可抗力なので、ホテルに電話やメールで連絡をすればキャンセル料を免除してくれる場合が多いです。
免除されるパターン2:身内の不幸・体調不良などで行けなくなった場合
- 「親族に不幸があった」
- 「自分が体調を崩して行けなくなった」
- 「家族が体調を崩したので看病する必要がある」
などのケースでも、ホテルに相談すると免除してもらえる場合があります。
また、コロナウイルス感染症の拡大に伴い、
- 「検査で陽性反応が出た」
- 「家族・知人が陽性になり、濃厚接触者に該当した」
- 「感染症が拡大しているため旅行自体がなくなった」
といった理由でも免除してもらえる場合があります。
免除されるパターン3:宿泊日を間違えて予約していた場合
土曜日に泊まりたいのに、予約が金曜日になっているなど、日付を間違えて予約してしまうケースは時々起こります。
こういった時はホテルに一度相談してみてください。
本来の宿泊日に、まだ空き部屋があれば、予約をズラして対応してもらえることもあります。
また、「予約を取り直してもらえるなら、現在入っている予約のキャンセルは無料で良いですよ。」と言ってもらえる場合もあります。
宿泊料金が日によって、変動性になっているホテルもありますので、必ず一度連絡するようにしてくださいね。
以上が代表的なパターンですが、あくまで「キャンセル料が免除される可能性がある」という話です。
また、いずれの場合も、「事前(少なくとも予約当日中)にホテルに連絡する」ことが大事になってきます。
連絡がない場合は、必ずと言っていいほどキャンセル料が発生します。
キャンセル不可の格安プランなど、予約していたプランによっては、免除されない場合もあります。
ですので、「絶対免除してもらえる!」と期待しすぎない方が良いでしょう。
ホテルのキャンセル料は交渉できる?免除or安くする方法は?
どのホテルを予約するにしても、ホテルがそれぞれ定めているキャンセル料の規定があります。
予約が成立した時点で、あなたはその規定に同意したと見なされます。
規定に同意した以上、ホテル側からキャンセル料を請求されたら、必ず払わなくてはいけません。
しかし、先ほどお話しした理由や、キャンセルする時期によってはキャンセル料が減額されたり、免除してもらえたりする場合もあります。
これは消費者契約法という法律に基づくもので、ホテルは平均的な損害以上のキャンセル料は請求できないことになっています。
例えば当日のキャンセルだと、宿泊料金全てが損害になる可能性が高いです。
数ヶ月〜数週間前のキャンセルなら、他の利用客からの予約を受けられる余裕がありますよね。
当日のキャンセルでも、台風などの自然災害が理由になる場合、今度はそのホテルの近くで足止めを受けている人が予約をしてくれる可能性があります。
キャンセル料を免除するか、減額するかといった判断は全てホテル側によります。
まずは一度連絡してみることをオススメします。
さいごに
昨今の情勢により、キャンセル料については、ホテル側でも柔軟に対応してくれるところは増えています。
どんなホテルを予約するにしても、必ずホームページや予約サイトを見て、キャンセル料の欄を確認しましょう。
とにかく、どんな場合でも、ホテルに連絡を入れるようにしてくださいね。