今では、ものまね番組の「ご本人登場」がすっかりおなじみですね。
歌を歌っている途中、もしくは歌い終わったはずなのに、そのまま演奏が継続されます。
後ろから本人が登場して、ものまねタレントをびっくりさせる、というのがお決まりの流れです。
ものまね番組では、今では欠かせないコーナーとして定着しています。
でも、ひと昔前には考えられなかったことでした。
たとえ、本人そっくりのものまねだったとしても、なかなか認めてもらえず、ましてや面白おかしくオマージュしたものであれば、本人の怒りを買うのも当然のことだったからです。
ものまねと本人が並んで歌うなんて、夢のようなことだったのです。
それがどのような経緯で、「ご本人登場」が人気コーナーまでのしあがったのでしょうか?
今回は、その歴史をひも解いてみましょう。
「ミスターご本人登場」って誰?
ご本人登場に欠かせない人物「ミスターご本人登場」。
この演出には、「本人として登場する人」と「ものまねする人」がいないと成り立たないわけです。
つまり、それぞれの役割に「ミスターご本人登場」がいます。
私のバカせまい史SPで、「ミスターご本人登場」として登場するのは誰なのか?
気になりますよね?
まず「本人として登場する【ミスターご本人登場】」。
それは美川憲一さんです。
数多くの人にまねされ、そして後ろから歌いながら登場し、「あんた、なんなのよ」「おだまり!」などといって、驚かせてきました。
ものまねしやすい特徴があるから、数多くの人にまねされたという理由もあると思います。
ですが、美川さんの人柄がひきつけるものも、バラエティとしては大きかったでしょうね。
そのうち「美川さんが、ものまねの方に寄せてない?」と思うこともあるようになりましたね。
次に「よく本人に登場される【【ミスターご本人登場】」。
それはコロッケさんです。
ものまねのレパートリーが多いので、確率的に本人が登場することも多いと考えられますが、それだけではないはずです。
コロッケさんのものまねは、よく特徴をとらえているのもありますが、つい誇張がはいってしまいます。
そしてそれが行き過ぎて、本人がやってもない行動をして笑いを取ることも。
視聴者としては「それは本人が見たら怒るでしょう」と思いながら見ているわけです。
そして期待通りご本人が登場して、コロッケさんが土下座をして謝る、というのが、期待を裏切らない、お決まりの展開となるのです。
数々の大物芸能人を「ご本人登場」させたコロッケさんも「ミスターご本人登場」といえるのではないでしょうか。
ご本人登場の第1号って誰?
今でこそ流れができている「ご本人登場」ですが、まず最初にこの流れを作ったのは誰だったのでしょうか?
確認できる範囲では「青江三奈さん」と「美川憲一さん」が第一号のご本人登場です。
しかし本人が登場して、
- 最初はちょっと怒ってる風に見せる
- 実はちゃんと認めて笑いに変える
という流れを作ったのは、間違いなく美川憲一さんでしょう。
そう考えると、ご本人第1号は「美川憲一さん」になりますね。
真似をされる側の美川憲一さんは「ご本人登場」によって大きく人生が変わりました。
それまで仕事が激減し、知名度もかなり下がっているところでした。
- ちょうどその頃、コロッケさんが真似をして、「美川憲一」という存在を広めた
- ものまね番組で、「ご本人登場」として共演した
これらがきっかけとなり、美川さん自身のキャラクターに、以降、脚光が当たったのです。
「ひと昔前の人」というタレントに、再び脚光を浴びる機会を作った「ご本人登場」は、
- ものまねタレントが売れるきっかけになる
- 呼ばれた「ご本人」も再ブレイクするきっかけになる
というお互いがwin-winのものとなったのです。
その第1号となった、美川さんの功績は、ものまね番組の歴史の上でも大きいですね。
ご本人登場ランキングBEST3!私が面白かったものがコレ
ものまね番組は欠かさず見ているといっても過言でない私です。
その中でもやはり衝撃というか、忘れられない「ご本人登場」があります。
その中からBEST3を紹介したいと思います。
【第3位】清水アキラ×橋幸夫のご本人登場
コロッケさんの誇張ものまねは有名ですが、それに負けず劣らず誇張したものまねをするのが、清水アキラさんです。
数々の大物芸能人に登場してもらっていますが、その中でも大笑いしてしまったのは、橋幸夫さんのご本人登場です。
清水アキラさんは最初はびしっと着物を着て登場するのですが、イントロの間に後ろのほうでごそごそ。
するとスクール水着に浮き輪を抱えて歌いだすのです。
絶対、橋幸夫さんならやらないであろう演出に、審査員も出演者も笑っていいのやら、という表情をする中、演奏が終わるはずでした。
すると、後ろからさっそうと橋幸夫さんが登場します。
怒ってるのかな…と思いきや、清水アキラさんとステップを踏みながら「恋のメキシカン・ロック」を楽しそうに歌い上げたので、よかった、と一安心。
でも目の奥は笑ってないのでは?と誰もが思ったに違いありません。
【第2位】ミラクルひかる×オセロ中島のご本人登場
オセロのものまねを「ミラクルひかるさん」と「みかんさん」でやったときです。
解散したコンビをそっくりの2人がやっているので、「もうこの組み合わせは見れないんだよね…」と少ししんみりしていました。
ご本人登場は「松嶋さんのほうだろうな」という予想を裏切り、まさかの中島知子さんのほう!
いろいろなことがあり、最近はテレビで見ていなかったので、出演にもびっくり!
そしてミラクルひかるさんの再現度の高さを改めて確認することもできました。
中島さんの口から「尚美ちゃんは、ほんとそっくり!」という言葉を聞けたのが、みかんさんはうれしかったでしょうね。
でてくるはずがない、と思う人が出てくると、本当にびっくりしますね。
しかも解散しているから見れないだろう、というコンビが完全ではなかったものの、見れたのはうれしかったです。
【第1位】コロッケ×野口五郎のご本人登場
やはりコロッケさんのときのご本人登場は笑ってしまいます。
中でも野口五郎さんとのバトルは、どっちも一歩もひかないので、余計に白熱しておもしろいです。
視聴者も野口五郎さんが鼻くそを食べたり、舌をべろべろしながら歌ったりしないことは、当然わかっているんですよね。
だけど、コロッケさんがやると、本人がいかにもやっていたかのように思えてしまうのは不思議です。
野口五郎さんも抗議しているのだけど、顔がついつい笑ってしまって、本当はおもしろがっているのがわかります。
ご本人登場して、最初にどきっとしても、最後は大笑いで終われるのは、コロッケさんのお人柄によるものかな、と推測されます。
最近はなかなかご本人が登場するようなものまねを見れないのが、ちょっと残念ですね。
さいごに
ものまね番組の「ご本人登場」は、一瞬ピリッとした空気が流れます。
そして
- 「怒ってる?」
- 「喜んでる?」
とつい確認してしまうものです。
たいていのことは大爆笑で終わるのですが、いつも審査員にいらっしゃった淡路のり子先生は、コロッケさんのことを認めなかったですね。(逆にそれがおもしろかったのですが)
本当はどう思っておられたのだろう…それはもう知ることはできないのが残念です。
今後見てみたいご本人登場、私は断然、ミラクルひかるさんのご本人登場で「宇多田ヒカル」さんです。
ミラクルひかるさんはもともと歌はうまいですし、さまざまな方のものまねもうまいと思います。
でもやっぱり宇多田ヒカルさんの歌ものまねは天下一品だし、ミラクルさんを超える人はいないと思っています。
すでに宇多田ヒカルさんと共演もしてますし、公認ももらっています。
それでも「ご本人登場」で驚かせて、かつ一緒に歌っているところを見てみたいんですよね。
なかなかバラエティ番組に出る方でないのがわかっているからこそ、このような共演を期待してしまうのかもしれません。
宇多田さんに限らず、まさかバラエティに出るとは!という方の出演を楽しみにしたいですね。