「ゴホゴホ」
食事介助をしていると、高齢者の方が急にむせた。
そんな時にどう対処すればいいのでしょう?
私も食事介助に慣れていなかった頃は、むせるかもしれないという恐怖心が常にありました。
でも大丈夫です!
高齢者がむせることには原因があり、対処法があります。
あなたもこれからお話しすることを聞いていただければ、
- むせる原因
- むせた時の対処法
- むせないための予防法
について理解することができるでしょう。
また、安全な介助を提供できるようになり、水分補給や食事介助に対する自信がつきますよ。
それではむせるという現象について、少しずつお話ししていきますね。
高齢者がむせるのはなぜ?原因がコレ
高齢者がむせる原因には以下のようなことが挙げられます。
- 粘り気があったり、水分を奪われるような食事
- 姿勢が悪い
- 飲み込む力が弱くなっている
それぞれについて説明しますね。
高齢者がむせる原因1:粘り気があったり、水分を奪われるような食事だから
まず食事の状態に注意してみましょう。
粘り気のあるものや、水分をとられる物が入っていたら要注意です。
なぜなら、水分を含まない場合は、喉に食べ物が引っ掛かりやすいからです。
また、粘り気があるものは喉に引っ付きやすいからです。
あなたもカステラやもちを食べる際に、水分を用意していなくて、むせた経験はないですか?
むせとは喉に引っ掛かったり詰まることで起こることが多く、上記のような食べ物には、特に注意が必要です。
高齢者がむせる原因2:姿勢が悪いから
姿勢が悪いことも原因となります。
食事をする際には多少前屈をしていることが多いでしょう。
しかし上を向いていたり、横になったまま食事をしようとするとむせやすくなります。
なぜなら、食べたものが正常に流れていかず、気道へと流れ込むことが多いからです。
上を向いていると、食事が勢いよく喉へ運ばれます。
そうすると気道の方に入り込みかねません。
また、横になって食べていると、喉になかなか運ばれずむせることもあります。
よって、間違った姿勢だとむせることも多くなります。
高齢者がむせる原因3:飲み込む力が弱くなっているから
高齢になってくると、飲み込む力が弱くなり、むせやすくなります。
高齢になると筋力は低下してきます。
食べ物を飲み込むための、喉の筋力も例外ではないのです。
喉の筋力が弱くなると、上手く食べ物を飲み込むことができなくなります。
喉に異物が残っていると感じ、むせることもあるのです。
高齢者がむせたときの対処法は?
では、むせたときにどういう対応をすればよいでしょうか。
私ならば以下の方法をお勧めします。
- 前屈にして背中をさする
- しばらく食事をやめる
それぞれをわかりやすく説明しますね。
むせた時の対処法1:前屈にして背中をさする
前屈にして背中をさすりましょう。
むせるという反応は異物を体外に出す行動です。
むせた時は、前屈にし、背中を下から上に向かってさすることで、吐き出す行為を助けることができます。
むせた時の対処法2:しばらく食事をやめる
むせるときには食事や水分補給は控えましょう。
なぜなら、食事を続けると、むせの原因の食べ物をさらに奥に運んでしまうからです。
むせているときに、水を飲むと聞いたことがあるかもしれません。
若い人ならば、上手く気管に入ろうとしている食物を、食道に運ぶことができるかもしれません。
しかし高齢者はそうとは限りません。
高齢者の方は喉の筋力も弱まっており、食べたものがそのまま気道に流されかねません。
その様な時には、食事をやめて様子を見ることが重要です。
他にも
- 背部叩打法
- ハイムリッヒ法
などがあります。
ただしやり方を間違えると、より危険な事態になりかねません。
こちらのやり方は慣れてきてからをお勧めします。
高齢者がむせないように予防するには?
高齢者の方がむせないように予防するには、以下の方法があります。
- 嚥下体操
- 食事形態の変更
それぞれについて説明しますね。
むせを予防する方法1:嚥下体操
嚥下体操をすることで、むせの予防が期待できます。
嚥下体操とは、舌や口、首の筋肉を鍛えるための体操です。
なぜ嚥下体操を勧めるかというと、正しく飲み込む機能の強化につながるからです。
首を動かしたり発声することで、今から食事が喉を通ることを体に伝えることができます。
そうすると、食事に対して体が意識しやすくなります。
嚥下体操は、むせ防止のために行われる体操なのです。
むせを予防する方法2:食事形態の変更
食事形態を変えることも、むせの予防には有効です。
硬いものや、水分を奪われるような食べ物は、あなたでもむせることがあるでしょう。
高齢者ならばなおさらです。
高齢者は食べ物を正常に飲み込む機能が弱まっていることが多く、そういった食べ物はむせやすいのです。
硬いものなら柔らかく、ぱさぱさするものならば、水気を含ませたり、とろみをつけるとよいでしょう。
そうすることで噛むことが出来たり、口の中で程々にまとまりやすくなり、飲み込みやすくなりますよ。
よって、むせやすいと分かっているならば、あらかじめ食事形態を変えておくことは有効です。
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「高齢者がむせる原因と対処法」のさいごに
高齢者にとって食事というものは、本来楽しいものです。
あなたもせっかく介助するなら、楽しく食事をさせてあげたいと思うことでしょう。
そんな時には、ほんのひと手間かけることで、安全に食事していただける環境作りをすることができます。
落ち着いて正しい対処をしてあげてくださいね。
そうすることで、あなたも高齢者の方も、有意義な食事の時間を過ごすことができますよ。