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「辛い」と「辛い」の読み方!「つらい」「からい」はなぜ同じ漢字?語源や違い、見分け方をわかりやすく解説

2017-09-27

つらい からい 同じ漢字 なぜ
  • 「この食べ物めっちゃ辛い!」
  • 「仕事が多すぎて辛い・・・」

この2つの文章、どちらも「辛い」という言葉(漢字)が使われています。

しかしこの「辛い」という言葉、あなたも普段の生活で目にしたら、こんな疑問を感じた事がありませんか?

その疑問とは「からいとつらい、読み方がどっちか分からない!」というもの。

上の2つの文章も、

  • 1つ目は「からい」
  • 2つ目は「つらい」

と読むのが正解。

「からい」と「つらい」では意味も違うので、正しく読まないと、おかしな文章になってしまいますよね。

例文では、どう読むかが分かりやすい文章に、あえてしました。

しかしこれが「唐辛子を食べると辛い!」といった文章だとします。

こうなると正しい読み方がどちらなのか、分からなくなってしまいますよね。

そこで今回の記事では、この「辛い」の読み方に関する悩みを、わかりやすく解決します!

なぜ同じ漢字なのかだけでなく、語源や見分け方についても解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

参考記事もどうぞ

「つらい」と「からい」の意味は?英語では何ていう?言い換えは?使い方を例文で解説

まず最初に「辛い」の「辛」という漢字について知っていきましょう。

漢字辞書で「辛」を調べてみると、こういった事が記載されていました。

  • 五味の一つ。からい。からい食物。
  • 心がいたみうずく。つらい。くるしい。
  • 十干の第八。

今回の記事で重要となる項目は、1と2の部分ですね。

意味を見ても分かる通り、この「辛」という字には元から「からい」と「つらい」の2つの意味を持っているのです。

「辛い(つらい)」には

  • 「彼は私にいつも私に辛く当たる」

のような、他人に対して冷酷であるといった意味。

  • 「学生の頃、いじめにあい、辛い思いをした」

のような、精神的にも肉体的にも、我慢できないくらい苦しいといった意味。

  • 「私は辛い立場にいる」

のような、対処が難しい、困難であるといった意味があります。

つまり「辛い(つらい)」は、苦しい状況や困難な状況を指すようなときに使われます。

英語では、「冷酷な」「残酷な」といった意味の

  • 「cruel」

「苦しい」「苦痛な」といった意味の

  • 「bitter」

「難しい」「困難な」といった意味の

  • 「difficuly」

などで表現されます。

「つらい」を言い換える場合も

  • 「彼は私にいつも私に辛く当たる」→「彼は私にいつも私に冷酷に当たる」
  • 「学生の頃いじめにあい、辛い思いをした」→「学生の頃いじめにあい、苦しい思いをした」
  • 「私は辛い立場にいる」→「私は難しい立場にいる」

のようになります。

一方、「辛い(からい)」には

  • 「この店の料理はインド風で辛い料理です」

のように、トウガラシ、ワサビなどのように、舌や喉を強く刺激するような味といった意味。

  • 「母の作る煮付けは味が辛い」

のように、塩気が多い、しょっぱいといった意味。

  • 「彼の採点は他の人よりも辛いことで有名です」

のように、評価の基準などが厳しいといった意味があります。

「辛い(からい)」は、味に関する意味がメインになりますが、

  • 苦しい様子
  • 残酷でむごいこと
  • 危ない状況

といった、「つらい」と同じような意味も含まれています。

英語では

「ぴりっとした」や「しょっぱい」といった意味の

  • 「spicy」
  • 「salty」

「厳しい」「厳格な」といった意味の

  • 「strict」

などで表現されます。

「からい」を言い換える場合も

  • 「この店の料理はインド風で辛い料理です」→「この店の料理はインド風でスパイシーな料理で                       す」 
  • 「母の作る煮付けは味が辛い」→ 「母の作る煮付けは味がしょっぱい」
  • 「彼の採点は他の人よりも辛いことで有名です」→「彼の採点は他の人よりも厳しいことで有名                         です」

このようになります。

「つらい」と「からい」の語源は?なぜ同じ漢字で書くの?

元々漢字というものは、中国から渡ってきたもの。

あなたも小学生の時、象形文字を習ったと思います。

動物や物などの見た目から漢字が作られた、というものですね。

この「辛」という字も象形文字です。

針のような痛々しい道具の様子からこの文字が作られました。

そこから「刺されて痛い、つらい」といった意味を持つ字になったのです。

確かによく見てみると「辛」という字が、なんだか痛々しそうな漢字に見えてきますよね。

「痛い=つらい」というのは、今も昔も変わらないという事です。

針のような、痛々しい道具を表した「辛」という漢字に、「つらい」という意味を当てたのが、「辛い(つらい)」の語源になります。

では、なぜ「苦痛」や「痛み」を表す「辛」が、味覚を表す「辛い(からい)」になるのでしょう?

昔の人は「辛」という字を「つらい」という風に解釈していました。

人間には味覚というものがあります。

人間の味覚は大きく分けて、次のような4つに分ける事ができるんです。

  • 甘い
  • 苦い
  • すっぱい
  • しょっぱい

そう、お気づきのように、人間の味覚には「辛い」というのが存在しないのです。

では一体、私達が感じている「辛い(からい)!」という感覚はなんなのでしょうか?

この謎の答えが、「辛い」の読み方が2つある理由に大きくつながるのです!

実は私達が感じる「辛い」という感覚、これは味覚ではなく痛み(痛覚)なのです。

厳密に言うと「辛味」は「味覚」に含まれていません。

「からい」ものを食べたとき

  • 「喉が痛くなる」
  • 「舌に刺さるようだ」

と表現するように、実は「辛味」は、痛さを表す「痛覚」になるんです。

カレーや唐辛子、わさびなどの辛い食べ物を食べると、舌がめちゃくちゃ痛くなりますよね。

この痛みを人間は「辛い!」と感じるようにできているのです。

つまり痛い=からいという事になるのですね。

ここで先ほどの話を思い出してみましょう。

人間は痛いと感じる事をつらいと感じる生き物です。

  • からい=痛い=つらい

という図式ができあがるという訳なのです!

これが「辛い」につらいとからいの、2つの読み方がある理由なのです。

「つらい」と「からい」は、同じ漢字であり、同じ語源なのです。

「つらい」と「からい」の違いと見分け方は?

「つらい」と「からい」はどちらも、「痛み」を表す「辛」が由来になります。

「つらい」の場合は

  • 苦しいときや困難な時の心身の痛み

を表し、

「からい」の場合は

  • 「からい」ものを食べたときの喉や舌の感じる痛み

を表すという違いがあります。

見分ける場合は、前後の文章から判断するしかありません。

ただし、

  • 「つらい」は非常用漢字
  • 「からい」は常用漢字

なので、公的な文章の場合

  • 「からい」は「辛い」で表記
  • 「つらい」は「つらい」で表記

されます。

さいごに

以上、「つらい」「からい」の違いについて解説してきました。

辛いに読み方が2つあるのは、理由があったからなんですね。

1つの言葉に2つの別々の意味がある・・・

日本語が難しいと言われるのは、こういった部分があるからなんでしょうね。

確かに、激辛料理は食べるのが「つらい」です。

「からい」料理も「つらい」思いをせず、美味しく食べたいですね。

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